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と思いましたが、心細く主人と一緒に行きました。
東大病院を紹介されて行きました。はっきりわからないが、「難聴らしい」とのことで、月に一、二度通い薬をもらって様子をみていました。
二歳近くになっても歩行ができず、心配でどうしてよいか迷うばかりでした。
そのうち、難聴検査のため松戸クリニックで脳波検査をするころから、発作を起こすようになりました。結果は脳波に異常が認められ、また聴力もはっきりしませんでした。「どうして二重に病気が…」と、夜も眠れない日々が続きました。
早期教育のことを考えても、体が弱くてはどうしようもありません。発作の薬は忘れなく飲むように気を付けていました。それでも月に二、三回は起こしていました。薬が体に合わず何回も調整して頂きました。
家では、音に反応するか太鼓をたたいて、振り向くか試してみました。
国立付属ろう学校にも、教育相談で一年間通いました。幼稚部に行ってみて友だちがいることを初めて知りました。やっと歩くようになったのは二歳三ヵ月のときでした。幼稚部は都立足立ろう学校に一年保育で入園しました。
毎日、満員電車で一時間以上かかって通い、一日の授業が終わって帰るときは、子供をおんぶしたまま疲れて眠ってしまいました。発作がいつ起きるかわからないので、いつも付き添っていました。本人はみんなと一緒にできなくても、楽しく過ごしていました。でも体力もなく知能も遅れているので、どうしようもありません。

 

 

 

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